荒川 スーパーバイズ研修「面談の基本技術」

<研修の概要>
会の名称 :荒川地域包括支援センター スーパーバイズ研修「面談の基本技術」
日時 : 令和7年7月9日 10時~正午
場所 : 花の木ハイム荒川(荒川地域包括支援センター)
登壇者:講師 あべクリニック 東京都認知症疾患医療センター 副センター長 近藤 康寛
講義内容:「面談の基本技術」〜「また相談したい」と思われるかかわり方〜
対象者:地域包括支援センター、見守りステーション職員など
主催者:荒川地域包括支援センター

本研修会は、各地域包括支援センター管理者が現場の課題意識を持ち、その解決策を講師と共に考えながら構成されたことが、最大の特徴であり強みであったと感じています。特に印象に残ったのは、入職間もない職員や、経験豊富なベテラン職員の全力で学ぼうとする積極的な姿勢です。大切なのは、基本を忘れずに振り返る謙虚さを持ちつつ、対人支援専門職としての実践と調和させることだと思います。

受講者の感想から、「当事者のために」という思いは強くても、忙しさの中で解決を急いだり、振り返りの時間を持てない現状が見えました。だからこそ、「当事者ファースト」を職場の習慣にすることが大切です。相手のペースに合わせて聴き、寄り添う姿勢を保てるよう、事例検討やロールプレイで当事者者視点の面談を確認しましょう。振り返りは“業務の一部”として組み込み、個別面談やミニ研修で短時間でも自分の対応を見直す機会を持つことが成長につながります。

面談では言葉だけでなく、表情や声のトーンなど非言語の伝わり方も重要です。他者の面談を見て学ぶことや、自分の関わりを振り返ることで質は高まります。解決策提示の前に信頼関係を築き、過程も評価する姿勢が職員の安心感や意欲を育てます。また、異職種や他包括との交流は視野を広げ、支援の質を高める力になると思います。

受講者のご活躍を引き続きサポートしてまいります。

/ 講師 近藤康寛

 

<受講者の感想>(一部抜粋)
• 最も響いたのは「相談者本人が困っていることに気づく支援」の重要性です。今後は意識して取り組みたいと思います。
• 困りごとを言語化して本人に気づいてもらい、目標につなげることを大切にしたいです。
• 長く働く中で「こうしましょう」と先に提案していた自分に気づきました。話を聴くよりサービスに偏っていたことを反省しました。座る位置も横の方が話しやすいと学びました。
• 普段は支援者の立場で考えがちですが、ロールプレイで相談者視点の「聴いてもらいやすさ」を実感し、業務に生かしたいです。
• 研修を通じて対人支援の難しさと自己研鑽の必要性を再認識しました。今後も研修に積極的に参加したいです。
• 予防プランナーとして「プランにつなげたい」先入観がありましたが、生活全体を見る大切さを学びました。
• 研修後は楽しい気持ちで職場に戻れます。「解決しなくてもいい」という考え方は大きな学びでした。地域支援に生かしたいです。
• 沈黙の場面で質問してしまう傾向がありましたが、見守ることで相談者が気持ちを整理できると実感しました。
• 実際の業務では沈黙に耐えられず質問していたことに気づきました。相手のテンポに合わせることを意識します。
• 管理者として本研修は狙い通りの成果がありました。多くの学びと振り返りができ、今後の支援に生かせると感じました。